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投稿日:2021.12.16  更新日:2022.03.08

one teamへの挑戦Load to Acute Care Surgery

皆さんの医師像はどんなものですか?

ひとそれぞれですが、私の思う医師像は目の前の生死の境をさまよっている人を手術したりして助ける存在でした。「医者はみんな手術できるんだ。」と思っていたこともありました。しかし、実際は診療領域が細分化されており専門性も高まっていることから、救急の現場で手術を担うのは救急医ではないことも多いのです。研修医時代の救急研修では自分たちで手術治療をできないことを悔しく感じたものです。今思うと外科の医局員として研修していたこともあって特にそう感じたのでしょう。
その後、外科医として腹部救急治療にも携わっていましたが、救急領域のことはあまり考えていませんでした。そんなAcute care surgeryの概念なんて知らなかった私が、ひょんなことから現在の救命救急科にきたわけです。

 

 

外科医としての転機

長らく消化器一般外科の畑で診療していたので、手術を最後まで完了させないで終わるなんて考えもしなかったし、「ダメージコントロール?そんなことしなくても俺にはできる。」なんて自負していた時期もありました。しかし、より重症な患者が多い現場では手術治療だけでは病状は安定しない、救命できないことを痛感したことがありました。それぞれの症例を見直すことで、病態に応じた治療を考えることの重要性を再認識させられ、ダメージコントロール手術から集中治療へつなげることの必要性を学んだのです。現在も外科で定期手術や外来診療もしていますし、外科医として基本的な考えは変わってないですが、Acute care surgeryという領域についてはアップデートされ、数年前より成長しているのでは?と思っています。

 

 

外科系救急医? 救急系外科医?

なんとなく言葉でわかります?これは簡単に言うと育ちの違いみたいなもんです。救急医の中には外傷など外科系が得意な医師もいれば、内科系が得意な医師もいます。外科だって同じです。例えば消化器外科でもその中で細分化されておりがん治療などの治療を専門として、主に定期手術、低侵襲やQOLを考えた治療を得意とした外科医もいますし、救命手術を含めた救急が得意な外科医もいるんです。我々の救命救急科は外科系救急医、救急系外科医が一緒に診療しています。基本的には得意な分野があるけど同じ救急医療をやっていると思っていいですね。

 

 

外科医なんか、救急医なんか

Acute care surgery領域での専門性については学会でも紹介されていますが、基盤には外科医であると言っています。いろいろ思うところはありますが、手術治療を行うためには技術を習得は必要ですが、一つの専門領域をしていればAcute careができるわけではないと思っています。Acute care surgeryは救急、外科、集中治療をいうことが求められるので、一人が全部できなくてもいいんじゃない?そんな風に思っています。それぞれの領域を理解しチームを構築し治療にあたることが重要だと思います。結局チーム医療だしテクニカルだけではなくノンテクニカルスキルが非常に重要なんだ!
我々のAcute care surgeryセンターはこれからの時代の外科の一分野、救急の一分野と思っています。この領域、チームで活躍できる医師を育成できるようにキャリアパスも考えています。外科系救急医、救急系外科医どちらもこれから増えていって共存できればいいなぁと思います。実際、当科ではどちらもいるし、専門外科とも合同手術もしますし、いい関係で診療できています。

 

 

キャリアとしてどっちがいいのか ~いち外科医の私見~

Acute care surgeonを目指すには外科を先にやってから救急なのか、救急から外科なのか?これはよくある質問です。
どっちがいいか?わからん。けど、外科医としてやってきて今があるので、スキルを身につける意味では外科領域は外せないとおもっています。しかし「外科専門医=手術できるわけではない」という現実があるんです。この領域はgeneral medicineでもあることから両方の知見が必要であり、外科医としての技術は常にアップデートしなくてはいけないんです。入り口はどっちでも汎用性のある選択肢があるといいですよね。今の救命救急科には各専門家も在籍しているし、今後若手のキャリアパスを考えた場合、多様性を考えたプランを提供できる体制にしていくつもりです。

大原 泰宏

※Acute care surgeryとは?
外傷外科、救急外科、外科的集中治療の3つの領域を担当する診療概念です。2005年にアメリカ外傷外科学会が提唱し、現在世界に広がりつつあります。日本では従来は一般外科が担当していた領域ですが、近年Acute care surgeryという専門領域を明確化させようとAcute care surgery学会(http://www.jsacs.org)があり、認定外科医制度もあります。実際、私が外科の医局に入局した時には手術は外科がやるものだという文化があり現在に至るまでつづいています。外科主要学会においては手術技術、がん治療の話題がメインでしたが、近年救急領域、Acute care surgeryの話題が多いように感じます。この領域は病態を的確に把握、評価し今必要な治療選択をしていかなくてはならず、状況によってはダメージコントロールのため手術を複数回行うこともあります。